tブレスヴォイストレーニング100メニュ
第4章 フォームづくり


同じトレーニングをくり返し、基本を身につける。

 柔道で投げ方を覚えるときも、ゴルフで球を打つときも、1、2、3、とタイミングをとり、何度も何度もフォームを固めるまで、トレーニングします。ヴォイストレーニングも同じです。息を吐き、それを声にして、さらに大きくしたり伸ばしたりしているうちに、フォームができてきて、いろんなことができるようになるのです。形から入り、身を伴わさせていくのが早い方法です。

 ブレスヴォイストレーニングは、一見バラバラにみえるプロヴォーカリストの声や体、息の使い方を分析し、その基本的な要素をメニュにしたものです。歌一曲では、判断しにくい実力の差を一つひとつの要素に分け、チェックしながら進めることで、確実にそのギャップを埋めていくことができます。つまり、一流のプロヴォーカリストなら、このトレーニングで求めている条件をその場でクリアできたのです。しかし、アマチュアや日本の多くのプロヴォーカリストでは、ほとんどできませんでした。そこに基本の力の差があります。

 トレーニングですから、確実に上達しなければ意味がありません。誰でも確実に上達するためには、必ず鍛えられるところ、つまり、ヴォーカリストの体とフォームをつくることなのです。

61.フォームから発声にする
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フォームづくりのためのチェックをしましょう。

「声のじゃまをしないように体がついている」ようにしていきたいものです。声がうまく出ない、ヴォリューム感がないというのは、ヴォーカリストとしては致命的です。次のようになります。
(1)のどが痛くなる。疲れる。
(2)長く伸ばせない。
(3)大きく出せない。
(4)高く出せない。
 これを防ぐために、フォームづくりとともに声を出すことを覚えていくのです。
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□あごをひく 力を抜く

□肩おとす

□胸の位置、高めにする

□負担を背負う

□骨盤は前に出る ややひきしまる

□ひざ脱力

 


 

62.くせをとる
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1.のどの力、その周辺の筋肉の脱力をする。

2.声のくせをとります。このくせは、録音して聞くと、嫌だなと自分で思うところのひびきのことです。
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□肩、首の筋肉、胸の横は、よくもみほぐしてリラックスさせておいてください。
□声を出したとき、多くの人は、顔、口のなかにひびきます。これは、よくないひびきなので、鳴らさないようにします。
□ただ、そこでひびかせて、声にしたり、歌ってきた人は、声にできるきっかけがなくなります。そこで、体、息と結びついた正しい声、あとで、可能性がどんどんと拡がる声をみつけなくてはなりません。

 


 

63.胴体共鳴のチェック
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「ハイ」という声をなるべく深く太く大きな声でいいます。

チェック
1. 首
2. 背中
3. 腰
4. びてい骨
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□最初は、くせがとれませんから、うまく「ハイ」といえないかもしれません。息を吐く背をしてください。
□声のポジションは、さわってみて、一番ひびくところです。深まるにつれ、1→4と移ってきます。
□手でひびきをチェックするときは、肩が上がらないようにしましょう。

 


 

64.体を起こす
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体を前屈させて、「ハイ」とシャウトします。
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□この姿勢では、前腹が使いにくいため、お腹の側筋や背筋が使われ、鍛えられます。
□しかも、重心が低く立ち姿勢としては、安定して声がとりやすいようです。
□背すじを伸ばし、あごをひき、後頭部がつっ立たないようにしてください。
□足がつっぱったり、しびれたりしないように、てきとうに動かして、リラックスを心がけましょう。
□慣れてきたら、少しずつ、姿勢を立ち姿勢に戻しましょう。

 


 

65.発声にするイメージをつかむ
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声の意識を丹田(へそ下)にもっていくとともに、ひびきも全身で捉えていきます。
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□ほとんどの人の声は、Aのところ(のどで出し、顔面にひびかせる)と捉えています。
□しかし、体全身が楽器であり、声を最大限活用しなくてはいけないヴォーカリストにとって、声を捉えるイメージはBのところ(お腹の中心で、全身をひびかせる)とすべきです。
□声を出しているときに視線は前に集中しても、パワーは全身で捉えるようにイメージしましょう。

 


 

66.あごの固定
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1.「イ」、「イーイ」

2.「ウ」、「ウーウ」


3.「ん」、「んーん」
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□あごを押さえてやってみてください。声は出しにくくなりますが、正しく出るようになります。
□口をパクパクさせると、どうしても口先でひびきをとるくせがつきます。そうしないと、最初は、発声しにくいのですが、それをやめることです。すると、声を出すのに体がきつくなります。しかし、それが正しいのです。体は、そのきつさによって強くなり、そのうち、きつくなく、できるようになります。
□最初から、体がきつくなく、できているのなら、それは、プロと同じ声をもっているということですが、一声、聴いただけで違うなら、それはやはり、口先で逃げていたからなのです。
□体がきつくなってやっと、本当のトレーニングに入れるのです。

 


 

67.発声を確実にものにする
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どの音(キィ)でもよいですから、最も自分の声の出やすい声を出します。「ハイ」とか「ララ」でよいでしょう。
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□音をより強く大きく太く出していきます。すると、しぜんに高くなってきますが、これを同じ音でしっかりと出します。
□たった一つの確実に出せる音を発見し(なければつくり出し)、それをより使いやすく魅力的な声にしていきます。
□すると、しぜんと、次の音が準備されていくのです。そうして、獲得された音域、音量は、確実なもので、基本となります。

      (大)
       ↑ 音量
       ↑
       |
(低)←−−−●−→−→音域(高)
       |
       |
       |
       ↓
      (小)

          ↑
          |
          |
(低)←−−−−−−●−−−−−−−−−−−−−−−→(高)
          |
          |
          ↓

 



 

68.声を見つけ、大きくする
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息を思いっきり吐いて「アマイ」「アオイ」とシャウトしてみます。
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□声をできるかぎり出すことを身につけ出して、セーブ、コントロールする方向で進めます。
□声が充分に出ていないと、それをコントロールするのは、難しいです。
□息のしっぽを捉え、声にすることです。息のなかに声のきっかけがでてきます。それが声となるのを待ちましょう。
□声に気持ちを入れることです。そのことで、声がしぜんと出やすくなります。感情のなかに計算(作為)は隠して創造していくのが、ヴォーカリストです。
※できるだけ、声を出す方がよいのは、次の理由からです。
(1)体が鍛えられます(体と息と声の結びつきが覚えやすい)。
(2)コントロールができます。
(3)間違いがわかりやすいです。
(4)感情が入りやすいです。

 


 

69.日本語に体をつける
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I love you ラブユー Blue アオイ
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日本語は体をほとんど使わなくて出せることばです。ですから、体を使う必要性を与えることです。
□体のついたことばが「音楽的日本語」で、そのまま歌に使えるのです。それをめざしましょう。
□やりにくいときは、外国語でやって、そのフレーズを応用します。
□大人の声をよく聞きましょう。できたら、外人のオペラ歌手、CNNのキャスター、俳優などがよいでしょう。
 そして、その通りに、まねてみます。外人で日本語を話ている人のなかにも、よい見本となる人もいます。
□体は、正しいトレーニングにより、どんどん、声を出しやすくなってきます。

 


 

70.シャウト
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Help! Yah! Hey! Distiny! Satisfaction!

シャウトは、体で押していきたいものです。体の強さを基本としたフレージングのトレーニングをします。ここでは、ひびきだけでなく、声にも、力が逃げてしまわないようにします。
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□感情がストレートに伝わることを目的とします。
□迫力のあるパワフルな声が望まれます。
□体の底から出てくるイメージを大切にします。
□のどはしめないようにしてください。
□のどの弱い人はやめましょう。

 


 

71.ことばを動かす
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うつくしい じんせいよ かぎりない よろこびよ

このむねのときめきを あなたに


(「愛のメモリー」)
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□ことば
1.気持ちを込めて読んでみます。
2.切るところ(ブレス)を工夫してみます。
3.強調することばを強くしたり、のばしてみます。
4.弱くすることばを決めます。
5.一つの大きな流れのなかで表現してみてください。

□歌
1.楽譜通り(原曲)に歌う。
2.リズムを変えます。
3.フレージング、ブレスを変えます。
4.音、メロディを変化させます。
5.全く違う歌い方をしてみます。
6.ことばで言い切って、歌をまとめてみましょう。

 


 

72.上がる前の発声発音にアクセントをつける
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いのちの(ドレミソ)
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□このときは、ドレミソで、ミからソに上がっています。ミにフレーズの中心をもってきて、しっかりと太くとっておくことです。

□それにより、音質を変えずに、ソに移ることが容易になります。このソも、フレーズのなかで強く捉えたいのですが、

□日本語の場合は、助詞にあたり、強く出せないので、ひびきにもっていくことが多くなります。この場合も「ちのを」でなく「ちいの」とします。

※声楽との最も大きな違いの一つが、ここで二通りに出せます。一つは、ソの音をシャウトする、より太く強く出すこと。もう一つは、ひびきでとる(演歌などは、これが多い)ことです。声楽では、ほとんど、フレージングのなかで捉え、4つの音を区別しません。ポピュラーの場合は、そこにもっとことばを直接、読みこみ、ダイレクトに伝えるためのメリハリをつけます。

 


 

73.フレーズに情感を入れる
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1.さよならは あいのことばさ
(「さよならをもう一度」)

2.Elle my love so sweet

(「いとしのエリー」)
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フレーズに次のような気持ちを入れ、しぜんと音色を変えてみましょう。
(1)強くきつく
(2)明るくやわらかく
(3)悲しくつらく
(4)嘆くように
(5)あきらめ
(6)おちついて
(7)やさしく
(8)嬉しそうに
(9)訴えるように
(10)哀願するように

 


 

74.ことばにフレーズをつける
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1.あおい とおい ラララ

2.ワン ツゥ スリー


ことばをことばのまま、メロディをつけず、言いまわしから、節回しのようにして、フレーズをつけてみます。
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□速さについてチェックしましょう。
 速すぎると、ことばが口先により、体に入りにくいです。
 遅すぎると、体が使い切れず、声に流れがのっていきません。
□リズム
 二通りでとってみましょう。
 ∨
 1 2 3  頭打ち(デクレッシェンド)
     ∨
 1 2 3  後打ち(クレッシェンド)
□フレーズ
 全体に一本の流れを通しましょう。

 


 

75.フレーズの基本 声をそろえる
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1.ゲガゴガゲ


2.ゲガゴギグ


3.ゲゲゲゲゲ


4.ハイゲゲゲ(ミミレド)


5.ゲゲゲ(ドド♯レ)
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□声が最もとれるところで、声量、声域を伸ばしていきます。
※声を出すことで体の発声に関する機能を強化するのです。

ことば ひびきで切る
 (いいかえる)
  ゲゲゲゲゲ
流す  息   フレーズ

  ↑ ひびき
←   →のどあける
  ↓
声の芯 たてに通す

 


 

76.ロングトーン 寸法を変える
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1.ラーラーラーラーラー

(1) ラーラーラーラーラー     
(2) ラーーラーーラーーラーーラー


体でしっかりつかまえる

基本の力を応用していきます。
(1)と(2)では、単に伸びるだけでなく、
同じ質感、ヴォリュームを保つから、
体も3倍以上、必要となります。


2.いまはただ(ファミミレレ)

(1) いまは ただ (ことば)
ことばで「今はただ」とはっきりといいます。

(2) いまは ただ
すると、フレーズが表れてきます。このときの体の感覚をその後もいかします。

(3) い|ま|は|た|だ
均等に伸ばして、メロディ(ファミミレレ)をつけます。

(4) いまーは、ただ
フレーズを大きくしていきます。

(5) いまは ただ
全体にヴォリュームをつけます。

(6) いまは ただ
(6)歌のスタイルに整えます。

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□口を動かさないようにします。
□体を使った分だけ
□ポジションキープしたまま、2倍、3倍と声を伸ばします。
□15秒くらい伸ばしてみます。  
 それを5つの音に切っていくように考えるとよいでしょう。

 


 

77.メッサ・ディ・ヴォーチェ(高低感覚を強弱感覚におきかえる)
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1.Ge

2.GeGeGeGe

3.ア<エ>ア

4.ア<ア>ア

5.アエ<ア>エア

6.アエ<イ>オウ

7.アオ<ウ>イア
                 
8.ド レ ミ レ ド ド レ ミ レ ド

9.ド ミ ソ ミ ド ド ミ ソ ミ ド

10.ド   ミ   レ  ド

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□強くする、長くする、高くすることは、一つの表現として捉えると、同じようにまとまってきます。体をより大きく使うということでは同じだからです。

 


 

78.ことばからフレーズ
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いまは ただ
(ファミミ レレ)

(1) い<まは ただ
(2) い〜〜〜〜〜ま
(3) い〜〜ま〜〜は〜〜た〜〜だ
(4) I MA HA TA DA
(5) I A A A A
(6) いーまは ただ

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□フレーズのパターン

 


 

79.フレーズでのバランス
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1.マリア(ラドド)
 
こもったり、声を押しつけないように
 上下のバランスを活かします。

2.ハイ マリア
  ラ  ラドド
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□up tempo−リズム、ことば
□slow tempo−フレーズ、読み込み
□マ  リ  ア
 (ラ)(ド)(ド)
  Hop Step Jamp
□のどをあける
□ポジションを深く

 


 

80.フレーズ
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1.マリア マリア マリア
 (ラドド ラレレ ラミレ)

2.オーシャンゼリゼ オーシャンゼリゼ
 (ミ レ  ドレド ファミ  ドミレ)

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□音の流れ 統一性

□2.オーシャンゼリゼ オーシャンゼリゼ
ZEO
ド→ファ

ゼ オ
ゼ オーーーーーー(ゼ)エ
   オーーーーーーゼオーーーーーーーゼ
   オーーーーーーゼエオーーーーーーイ
   O            ZEO               I
   ミ            ド ファ             ミ

 


 

81.フレーズの応用 構成
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このおおぞらに つばさひろげ  飛んでゆきたいよ
ドレミミファミレ    ミレドドレドシ    ドシラドラソドレ

かなしみのない じゆうなそらへ つばさはためかせ
ドレミミファミレ    ミレドドレドシ     ドシラドラソドレ

いきたい
レドシド

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□「この」からいきなり「おおぞら」へ上昇します。そこで「ゆきたいよ」という感じをうまく出しましょう。

□滞空時間と急降下着陸が、フレーズのポイントです。
たとえば「はためかせ」/ \「ゆきたい」というのが、この形です。
 「かなしみのない」なげやる感じにしてみましょう。

※声楽では、ひびきを中心でもっていきますが、ポピュラーでは、ことばとリズムのセンスでうまく切っていき、伸ばせるところだけフレーズの処理をします。

 


 

82.サビ(ff)から出だし(pp)に
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そらをそめて もえたよ<しぬまで

(1) そらをそめて もえたよ   しぬまで

(2)          もえたよ    しぬまで

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□「そ」「を」「そ」「て」は、しっかりと深いポジションで言います。
□「そら」「を」「そめて」「もえた」「よ」をはっきりと、区別しつつ、つなげます。
□フレージングは、「たあよおーしぬ〜」とうまく盛り上げて、収拾させることです。

 


 

83.フレーズの展開
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さよならを もう一度 あなたに

1.このままいると こわれそうな
 (ドレミファファミファ ファソファラミミ)

  ふたりーだから はなれるのさ
 (ラミレ レドレ ドレドミシシ)

2.「れーそうな」
  (ファ ラミミ)

 フレーズの展開のトレーニングはなるべく大きな流れをつくります。伸ばした声を波のようにしていくのです。

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□ことばとフレーズをミックスさせます。
□感情ニュアンスを盛り込み、声の表情をつけます。
□技術に支えられたうまさが求められます。
 縁起がみえすぎると、空回りしますので、やはり体の強さが基本といえましょう。

※この体なら、2オクターブ、フルに使えると思えるくらい、強く大きく息の吐ける体をつくりましょう。

※上昇、盛り上げと、おとしこみの感覚をつかみます。感情を効果的に伝えるための代表的な展開例です。

 


 

84.フレーズを大きくしていく
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あなたゆえのわたしよ
 レレドレレドレレドシ

わたしゆえのあなたよー
 レレドレレドレレドミレ

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□あなたーよお 声=感情
□たあよおおうー 音楽=センス

 


 

85.送り込む
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いのちかけて いつまでも
 ことばでフック
   ↓つかんだ声を
    メロディでかっていく

※メロディ
 ことば センス 感覚をくずす 日本語の感覚

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□徹底的に、日本語を音楽的にする。音楽的処理に耐えられる体とする、体づくり
□日本語の音変化
 (太く、深く)  BVは、ヴォイスでなく、VOICEトレーニング
 アオイ たつ 英語
□日本語は、ブレスも体も不要。日本語しか使っていないため、よいVOICEを出すのに体をトレーニングする。

 


 

86.サビの前後
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きみといきる その日に その日に
ラシドレラシ  ドドラレ  レレレミー

A canto a te A canto a te

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□「いきる」のあとで、転じるとき、暗い音色から一転して明るい表情をつけてみます。
□二つの「その日に」の間で転じるとき。
「きみと…その日に」まで、一つのフレーズでもってきます。
□その他、次のような展開を試してみてください。
★サビの盛り上げ方のパターン
サビのまえのことばとフレーズについて

(1)サビを切りかえる
 1.音色を暗くする。
 2.ディミニシェンドしておく。
 3.弱くする。
 4.やや遅くする。

(2)サビに近づくほど盛り上げる。
 1.短くする。
 2.クレシェンドしておく(サビより一回り小さく)。
 3.言い切る

 


 

87.高音発声へ移行する
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only you
(ソラミ)

バッティングも強振すればよいわけではありません。力を維持してためて、中心をタイミングよく捉えなくてはなりません。

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□声質(音質)は、浅くならないように。
□ひびきは統一します。
□勢いでぶつけてがなっていないように。
□息を送りこむと、ヴォリュームをつけられる。
□体と一体になっているようにします。

 


 

88.音域
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ゆめもとめて
ソソラソファレ
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□同じ力でやると最初は高くなると
上にあがります。
だから、高い音ほど体の力を
入れるようにしていきます。
声をつかむというのは、体を離さないことです。高く上がるほど体
を入れておきましょう。

 


 

89.ブレスボイストレーニングでの声域の考え方
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日本の多くのヴォーカリストは、ひびきをあてにいくだけのハイトーン(A)ですが、ヴォーカリストでも一流といわれる人たちは、体からハイトーンを出しています(B)。これは、体全体をどのくらい共鳴させているかという差ではっきりと現れています。ブレスヴォイストレーニングは、根っ子(芯)のついた声で全身での共鳴を確認した上で、上でひびきをまとめる段取りを踏んでいます。そうでないとひびきに逃げるか、のどをつぶすかになるからです。

 

今までのヴォーカリスト (A)
いつまでも定まらない
体がつかない
       ↓

ブレスヴォイストレーニング (B)
使っていなかった しぜんとのびていく
しっかりした声

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□高いところにいかず、太くすること、ヴォリュームをつけることを優先する。
□多くの日本人の発声は、高くなるにつれ、すぐに薄く平たい声になり、ヴォリュームもほとんどなくなっていきます。
 ピアノでいうと、弱い指先で、いくら音をなぜてリズムどおり弾いていっても、何も伝わらないのです。
 指先の強さ、さらに全身のリズムが指を通して刻まれていくべきでしょう。

□そこで、息と体を使う発声にしていくと、Bコースとなります。これは、高くなるにつれ、ヴォリュームに厚みが出て、メタリックにもソフトにも芯の通った声となります

 


 

90.声区のチェンジについて、ミックスボイス
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ブレスヴォイストレーニングでは、ド−ドまでの1オクターブを一声区(同じ発声)で統一することをめざしています。

これをレ、ミまでつくっていっても、トレーニングとしては効果的です。また、太い声で歌う人には、そのまま使うのもよいでしょう。

これは、シャウト唱法で、声楽にはない発声です。
その上で、その2、3音下で、ひびきの方へバランスをかえて、
さらに半オクターブ以上を楽にとることを
確実に音量声域を拡げるために行ないます。

これは、その音(ラ)になると、
楽になり、音色も変わるのでわかります。

 しかし、これは声区のチェンジというより、

上下につながった声で自由自在に歌うことで、音の高さでなく、歌により、上下のバランスが決まってくると考えています。

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□音域による声のバランス

 


 

91.表現するということの重要性
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ブレスヴォイストレーニングは、声を表現に結びつけて、身につけていくため、表現する場をもつことです。

それは、ステージでなくともよいのです。
本人が、ステージだと思い他に一人でも人がいれば、
それは、トレーニング生にとってはステージとなるのですから。
表現に必要なだけ声は身についていきます。

だから、すべてのトレーニングを表現する機として、
真剣に取りくまなくてはいけないのです。

発声練習をいくらしても、うまくなりません。
表現するなかで、発声、ヴォイストレーニングも、
それ自体が価値をもつほど、大きくとり入れていくことです。
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□発声練習であっても常に、自分の表現をこころがける

 


 

92.表現すべきで、発声すべきではない
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発声練習

ハッ ハイ 
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□発声練習のように、声をひびかせて歌っている気になっている人が少なくありません。間違ったヴォイストレーニングを受けた人がおち入りやすいワナです。
 
□声の技術を歌に駆使するのと、発声練習もどき声を歌に使うことは全く違います。前者は、歌の表現のために声が使われており、後者は、未完成な発声を歌という形だけ借りて見せているだけだからです。後者の、お客を飽きさせて、かつ声の未熟さを誇示しようとする無神経さは、日本の気まじめな人によく見られます。表現や歌に消化すべきものが目的となっているのです。

□歌に発声練習など見えたら、おしまいです。表現、そして歌のうしろに技術が支えるべきなのです。発声臭さを消すために発声トレーニングをするのです。

 


 

93.声の完成度をチェックする
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「ハイ」
「ラー」
「アオイ」


これを、ドレミファソラシドの1オクターブで言い切れるかチェックしましょう。
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□きちんといえたら、5点とします。
次のチェックで、できないものをそれぞれ1点をひきます。

 のどにかかる(−1)
 声として強くできない(−1)
 かすれたり、びりびりとする(−1)
 10回続けて同じことができない(−1)
 一つ低い音よりも大きくシャウトできない(−1)

 

第5部 ヴォーカリストとしてのトレーニング

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