tブレスヴォイストレーニング100メニュ
第3章  中音域の役割と考え方

中音域は、歌の中心となるところで、最もたくさん使われます。それゆえ、安定度が問われます。

45.中音域でのヴォリュームづくり
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ドド♯ド

ドド♯レ

※低いところから高いところへいく途中、最も歌で多く使われているのは、中間中音域の声です。
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□どんな声でも歌えるため、くせがつきやすいのです。
□高音が出にくくなる原因は、中音域にあります。
□ひびきと息とのバランスが大切です。
【ひびき】×ひびきだけになる →2〜3音高くすると声が割れる
【体・息】×かすれ重くなる→胸に押しつけこもる

 


 

46.高さによって音質を変えない
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「ラ」で「ラララーラララー」でやります。

1.ミミミ ドレミ


2.ドドド ドレミ

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□3音のなかで音質(声の音色)を変えないことです。
□高い方が強く体を使う方向で捉えましょう。
□1.は、「ミミミ」と同じ感じで、「ドレミ」を行ないます。
□2.は、「ドドド」を「ミミミ」でやったのと同じ感じで行なうとよいでしょう。
□すべて同じ長さにします。高い音(この場合はミ)で伸びないようにします。

 



47.「ラ」でフレージングのトレーニング
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ラーラララ ラララ ラララ

(ラーミレド レドシードレソー)

 

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□日本語では、音が下がらないように、口先でひびかせ音にあてていくようにします。しかし、やはり、体から出す息の力にのせて、つなげていくべきだと思います。
□「ラ」は浅くなりやすいので、「La」を使ってもよいでしょう。
□全体の流れ、フレージングを捉えて、そこに「ラー」をおいていくような感じでやってみましょう。

 


 

48.BestとPeak
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Bestの状態の声とは、最も出しやすく、しぜんと声になっているところです。あまり声を出そうと意識しなくても、よい声がでます。
 それに対してPeakの状態の声とは、最も声を大きく強くヴォリュームをもって使えるところの声です。通常の人ではBestの声の3−5音、上にあります。

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□多くの人は、Bestをソ、Peakを上のドくらいに思っていますが、大体、Bestは、ド〜ミ(女性は三度、低いくらい 下のラ〜ド)、Peakは、せいぜい、男性でソ、女性でミといったくらいです。
 つまり、その間(Best−Peak)が、2〜3音くらいしかないのです。これを最低、1オクターブもつことが、声を気にせず、歌うための条件でしょう。

 


 

49.ピークの波
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1.ラララララララ
 (ドミソドソミド)


     ド
    ソ・ソ
   ミ・ ・ミ
  ド・   ・ド
  ・     ・

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□発声のトレーニングは、均等に分けたところにピークをもってきます。歌になると、ピークは、早くなっても遅くなっても構いません。
□歌のなかで最も、声を伝えやすくするために、ピークを配します。そこに、メリハリがでてきます。声がゆれ、波となって、心地よくひびきます。波のようにザーッときて(ピーク)そして、ひいていく、そのくり返しなのです。

 


 

50.同じ歌を聴いて、チェックする
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自分の好きな曲を一曲、選び、通して聴きましょう。できたら、楽譜をみながら、歌を聴きましょう。そして、楽譜と違うところを見つけましょう。聞いて、フィードバックして、何度もチェックします。

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□楽譜通りに歌っていても、楽譜では表現しきれないニュアンスの違いをチェックしてみてください。
□音のとれる人は、歌い手の歌から、楽譜をつくりかえてみるとよいでしょう。
□同じ歌を何人かのヴォーカリストで聞き比べてみると、もっとわかりやすいでしょう。 ※サンプル 「枯葉」「バラ色の人生」
□歌い方のコツとともに、ヴォーカリストのオリジナリティや技術をつかむ、大切なトレーニングです。

 


 

51.声域の拡げ方の考え
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下のソから、1オクターブ、さらに上のソまで階名で歌ってみます。

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□日本人の発声は、すぐに浅く上にひびきます。ヴォリュームの少しあるところがファくらいで、あとは、3〜4音で単に音に届いているだけになっています。
□体だけでもっていくと、上のラからレ、ミにかけて、かなりきつくなってきます。海外のヴォーカリストなら、そのまま、体でもってくるのですが、ブレスヴォイストレーニングでは、一応、ドまでもっていけるところまで体をつくるようにいっています。
□ドを超えると、ヴォリュームを保つのに余程、強い体の人でないと、のどに負担がかかったり、ビリビリし始めるからです。つまり、押しても、ひびかしても、2〜3音できつくなるのです。
□重くてこもるのも、よし悪しがあります(ブルース、ジャズならそれもよいでしょう)。ドから上では、表現上、正しくひびいた方がよいことが多いからです。
□そこで、ピークの音のところで、1フレーズ上でひびきにまとめていくのです。



 

52.鋭くやわらかく声を出す(フォーム)
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ハイ、ラーラ

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□「ハイ」と一言いったとき、体の深いところで声をとれていると、鋭く深い太い声になります。

□それをリラックスした状態で行なうと、同時に、その声はやわらかく、しぜんとひびきます。温かく親しみやすい気持ちのよい声です。

□このことが同時にできることが必要です。同時にできたとき、フォームができたといってもよいでしょう。フレーズは、このフォームについてきます。

■チェックするところ
□声がかすれたり、ビリビリとなっていませんか。
□息がもれていないですか。
□体が部分的(のど、首だけ)でなく、全体として無理なく使われていますか。

 


 

53.日本語の表現について
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 日本語での歌い方は、大きくわけると、3通りあります。
   助詞−殺す
        生かす

1.唱歌風
2.メロディ重視
3.ことば重視

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□メロディに美しくことばをおいていくようにします。メロディの線を大切にします。ことばのリズム、表現を中心に、フレーズを短く切っていきます。シャンソンや演歌に多いです。ことばを一音ずつ均等に伸ばして歌をひびき中心にきれいにまとめます。まさに教科書的な歌い方です。
 どれも一長一短がありますが、本当に音楽的な歌い方を満たすものではないように思います。すべてのよいところを入れた方法もできるのです。
 それは、フレーズ重視ともいえる方法で、ことばとひびきのまえに、息のフレーズで歌を全体の構成を大きくふまえ、声楽のように大きく捉えつつ、ことば、ひびきはポピュラーらしく情感を入れて気持ちの思むくままに切っていくというやり方です。日本語の場合は、それをさらに見せ方に一工夫していく必要があります。

 


 

54.声を吐き出す(シャウト)
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「アエイオウ!」

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□ことばをシャウトしているように聞こえるのがよいと思います。
 つくって歌ってはいけません。
□シャウトのなかで、ひびきがでてきて、それも自由にとれるようにしたいものです。
□日本人はひびきだけをとりがちですが、ことばをぶつけるように出し、そこから、ひびきを拾うようにしてみます。
□歌っている声のどこでもシャウトできるか、お腹から言い切れるかをチェックしましょう。
※声、ことばは感情をこめておいていきましょう。

 


 

55.共鳴とシャウト1
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1.イエイ、イエイ、イエイ

2.ダァー、ダァーダァー


3.Stand by me, by me


4.George George George

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□ひびきは、体から息、息をすべて声へ変換します。
□シャウトは、体をそのまま息と声がミックスした発声とします。
□このレベルがのトレーニングができるには、出た声に体がついていなくてはなりません。
□のどを痛めたり、トレーニングのあとに声がかすれたりするようだとやらない方がよいでしょう。

 


 

56.共鳴と支え
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1.ラーラーラーラーラー(ドレミレド)

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□ひびきだけでなく、それを息でしっかりと支えておきます。
□そのために、ポジションをとり、力を抜き、声の芯をつかんだまま、声として出していき、しぜんとひびくようにします。

 


 

57.共鳴とシャウト2
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「よあけの ひかりに」
  ドソソソ ソファミファ
  ララララ ララララ

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□ドよ(ド)でしっかりと深いポジションをとります。
□あ(ソ)では、そのポジションを逃さないように
□(1)のどをあけます。
  (2)なるべく深いポジションをとります。ここだけでやるとハスキーな声で歌えます。(2)を中心に強く出すと(3)頭にもひ   びきます(シャウト)。
 (3)しぜんと、頭声の方もひびいてきます。

 


 

58.共鳴(pp)からシャウト(ff)へ
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1.あなたを(ドドドド)あい(** ドシラシシ)
2.あなたを(ドドドド)あい(** ドシラシシ)(1オクターブ下げて)

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□外人のヴォーカリストは、よく、高音での弱にひびきからいきなりドスのきいたシャウトにもっていったり、明るいひびきのことばから、深く太い低音に急にもっていき、お客をしびれさせます。これは、声の芯をつかんでおり、体の力でバランスを移行させることによってのみ、可能となります。



 

59.ジャンル別の発声スタイルについて
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ブレスヴォイストレーニングは、どのジャンルに対しても、共通の声づくりを根本で目ざしています。それは、声の正解は、その人の体のなかにあるという考えだからです。だから、ジャンルによって、変えるのは声の使い方、つまりスタイルになってからです。

 


 

60.ゴスペル、ヘビメタの発声
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ほしはひかり

ほーしは ひかりー

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□息をたくさん吐き
□声と息のミックス、息を多めにする                      
□声のポジションを死守する
□体の力でポジションを押す
□息のフレーズで、音色をかすれたまま、もっていく
                             

ゴスペルの発声
(マヘリヤ・ジャクソンのCDを聴くとよいでしょう)

 

第4部 フォームづくり

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