tブレスヴォイストレーニング100メニュ
第2章  声の底を捉える
25.息を吐く
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「あ お い」
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□「あおい」ということばをいうときに、口先や頭のひびきだけでやってしまいがちな普段の声とは区別するつもりで発声しましょう。
□息をつなげるつもりでやりましょう。
□日本人の発声では、3つの音がバラバ切れていたり、音の粒が全く揃わなかったりします。そうならないよう注意しましょう。
□声の底(ポジション)をとり、息の流れとひびきをいかして、「あおい」の三つの音をとつなげるのです。
□カラオケは日本人のブツ切れ声を、エコーでつなげているだけなので、完成された声とは、根本的に違います。

 


 

26.たてに捉える
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「あえいおう」

「あえいおうあえ」


「あえいうえおあお」
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□声を押し出す感じから、ひっぱられるようにしていきます。
※たての線にまとめること。
 声を浅く開けると、体とうまく結びつかず、ロスを生じます。すべての息を声として使えるように捉えて、それを動かしていくのです。ここまでのことをやるのに、まず、声を深く、一つに捉え、それを頭の上から、足までの直線上にまとめていくことです。すると、ポジションをにぎったまま、体がうまく使えます。

 


 

27.抵抗を捉える(キャッチ アンド リリース)
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「ハイ、ラーラーラー」
(ド ドドド)
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□声を押し出す感じから、ひっぱられるようにしていきます。
しぜんな体勢のまま、体の動きをリラックスさせたまま、息の大きな流れにつなげて、もっていきます。その流れにのせ、回転させていくのです。
※声のひっかかり(声たて)とポジション(声の芯)
※センスでことば、メロディ、リズムをまとめていく。キャッチとリリースは、しぜんにやることです。こういったことを踏まえた上で、声をしっかりと捉え、それを遠くへ飛ばそうとしてください。しっかりと捉えていないと、のれんに腕押しするように、抵抗もなく遠くに飛ばず、したがって力もつきません。
※ここでは、声が飛ぶことよりも、声を捉え、しっかりと飛ばそうとすることで、力がついていくことが目的です。

 


 

28.[キャッチ →リリース]
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「なにもかも みえない」
(ラシドミレ ドシシラ)
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□体を使い切ることで、3秒を10秒に感じることです。つまり、わずか3秒のフレーズのなかに、たくさんのものをつめこむのです。
□高いところ、高くなる直前の音は、必ず体を入れこむように意識づけてトレーニングしておきましょう。
全身全霊で動かしてこそもの(人の心)は動くのです。

 


 

29.日本語を発声にする
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こいのうただけ のこして

こいいのお うただあけえ のこしてえ

こいいのお うたあだけえ のこしいいて

こおいのお うただあけえ のおこおして


こおいいの ううただあけえ のこおしいて

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□いろんなパターンでやってみて、最も言いやすいのをくり返します。
□うまくできたときの感じ(フレーズ)でいいにくいものをこなします。
□最もことばが伝わるものを選びましょう。
□最も感情が伝わるものを選びましょう。

 


 

30.ことばの表現
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1.おかあさん
2.ただいま
3.なんて
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□感情をしっかりと伝えます
□ことばをすべて「ラ」にかえて同じ感情を伝えてみます。
□メロディをつけてみる。感情をより伝わるようにしてみましょう。
□高い声や低い声でいってみます。

 


 

31.ことばとメロディ
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「あいのあまい」
(ラシドドレミ)

「ハイハイハイ ハイハイハイ」と基本的に体をつけます。
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□「の」でやたらと伸ばさないことです。
□「AINO」と考えてみましょう。
□「あ(ラ)」「あ(ミ)」の2つの中心をつけて、「ラド」の2音のつもりでことばをつけましょう。
□ 「ラーミ」(あーい)で、最初の「あ」と最後の「い」を結びつけてみましょう。そのなかに「いのあま」が入るのです。

 


 

32.体づくり
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息を吐いて、そのときの体の動きを意識してみてください。
体を使うことと、声の出ることが一致するように、
どんどんと体を使います。
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□お腹のまわりが動きます(特に側筋、背筋)
□背中の下の方に、中心点がくるように感じます。
 収縮→展開、緊張→弛緩のくり返しを体からつくっていきます。それが呼吸、リズムとなって歌に生命力を与えるのです。
 この動きを、基本段階はある程度、統一していき体全体で受けとめ、コントロールしていかなくてはなりません。



 

33.同じ音でことばを変えてみる
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1.あい いま
  レレ レレ
      ドシ
2.

(1)「あい」を強くする 

(2)「いま」を強くする。
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□「あい、いま」が「あいーま」とならないように、ことばでは、切ります。フレーズとしては、「あい、いま」まで保っておくことです。
□「いま」を強くするときには、「い」と「い」で区切らなくても、わかります。
□「あい」と「いま」で「い」の声を同じにすることです。「あい」の「い」が浮いてしまうと、次の「い」を言えかえなくてはならず、やっかいです。この場合、「いま」を強くするなら、「あい」の「い」を浮かすこともできますが、トレーニングのときは、少しでも体を使う方向でやりましょう。

 


 

34.発声と息のミックス
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1.くるしい さみしい
  シミレレ シミレレ


2.キス
 (1)キィスゥ
 (2)キ(ス)
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□声楽は、すべて声とひびきにしていきます。マイクなしで、どの音も遠くのお客の耳にしっかりと伝えなくてはならないからです。
□ポピュラーは、気息音になっても、マイクがあるので日常に近いことばで処理していきます。
□感情の伝え方によって、声と息をミックスの割合は違ってきますが、共に体によって支えられていることが前提です。

 


 

35.ことばのエ(イ)のポジションを深める
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1.ア エ イ

2.こい


3.あい
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□「い」をなるべく深くとるために、Iと考えて、AI、KOIなどということばで、「い」をしっかりと体の深いところで出せるようにしていきます。
□「い」は日本語の「い」ではなく、もっと深いところ。
□正しいポジションになると、イが最もひびきやすく高くまでとれるようになります。閉口母音で、ひびきが集まりやすいのです。
□イでひびきにくい人は、大体、のど声です。
※「ウ」についても、同じように深めておきましょう。

 


 

36.低音域(声域)
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1.ラララララ
(ドシラソファミレ)

2.ゲゲゲゲゲ

(ドシラソファミレ)
話している声から、下に半音ずつ下げていきましょう。
 低音でのトレーニングは、声のポジションを深くするのに有効です。
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□のどを使うといくらでも低い声がでますが、それはつくり声なのでやめましょう。
□低くしていけば高音と同じく、体を使います。
□男性の場合は、比較的、胸にしぜんと入っていきやすいです。
□歌で使われないほど低いところなので、荒されていない分、正しい声のポジションになりやすいところです。
□自分の最も低い声を最下音と名づけます。(男性なら下のレ・ミ・ファくらい)

 


 

37.低音域のポジションをキープしたまま上へ
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最下音から、そのまま、3音ずつ、上に移行していきます。
音質やポジションのかわるところまで上げます。
ラ(ゲ)でやります。(ファソラ、ソラシ、ラシド、シドレ、レミファ…)
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□半音で3つずつ上げていくのでもよいでしょう。
□声の音色や声になっているところが、上がってしまったらやめて、また低いところから、やり直します。
□これは、低い音を安定させるとともに、中音域、高音域になっても、この低いポジションを保ための大切なトレーニングです。

 


 

38.半音スケールでのことばの処理
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アオイ アオイ アオイ(ド ド♯ レ)
半音ずつ、下げてから、上げていきます。
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□息でフレーズをつかみ、体のつながりを意識したまま、そのライン上にことばをおいていきます。

(注意)
□たとえば、トレーニング以上の声が歌っているときに使えるはずがありません。ですから、トレーニングでは、歌うよりも大きな声をコントロールできることまでやることです。
□発声らしい発声よりも、ことばを体で言い切って、息の流れに任すことです。しぜんな表現でなくてはなりません。
□最初からひびきに頼らないことです。口を動かしすぎると、ひびきだけが変に広がります。声をつかんで、それがひびけばよいです。

 


 

39.半音の差をつめる
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1.ララ(シド)
2.ララ(ミファ)
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□半音での音質の差をなくすのが、トレーニングの目的です。
□1オクターブ下(低いドより下なら)ほとんど音になる高さの差は感じないでしょう。その感じを思い出してください。
□半音を明確に区別するため、結果として音質で差をつける方に教えられてしまう人が多いようです。音がとれれば、声そのものをチェックしないためです。どんな声でもよいというわけです。
□本当は、同じ音質の声でしっかりと半音を区別して出せなくてはならないはずです。
□高い音にいくほど、距離があいてしまい、音質が異なるのはおかしいのです。
□1オクターブ、すべてが同じ音質の声でそろうことを最終的な目的としてください。

 


 

40.ハミング
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「んーらー」

「んーラーんー」


「んーラララ」


「んーラララーんー」
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□ひびきのチェックをします。
□一つの線上で聞こえるようにします。
□フレーズ ラで盛り上がるようにします。
□最初の「ん」とあとの「ん」を同じにします。
□「ん」「ラ」「ん」と3つに分かれず、「んー」のなかで口を開いたところだけ「ラー」が聞こえるというがよいのです。

 


 

41.ハミング
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 「ンーラーラー」

 「ラーラーンー」


 「ラーンーラー」
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□ここでのハミングは、鼻の方でなく胸の中心にひびきを集めます。
□声をしっかりと体でつかんでそれを押し出す感じです。決して体から声を離しません。
□「ラ」のときは少し解放してもよいのですが「ん」で必ず体に戻します。



 

42.即興から入る
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1.詞を何回も読みます。

2.その語調からリズムを生み出し、ラップのように同じ音とリズムで読みましょう。


3.さらに、自分で好きなメロディをつけてみます。
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□このとき、順を追って、ことばが歌、音楽になっていっているわけですが、それぞれの時点での作品として完成度を厳しくチェックしてみましょう。
□楽譜を与えられずに、感じたことを伝えるところから、歌も出てきたのです。多くの人が、楽譜から歌おうとしています。詞や心、そして結果的に歌を殺しています。楽譜は残すためにできたものです。自分の心のなかに現れる感情を、
Menu1.→Menu3.と増幅していってこそ、歌となるのです。

 


 

43.即興でセンスを磨く
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自分の好きなリズムやメロディをつけて歌いましょう。

1.つるてんてん はぎわらてん


2.ぎおんしょうじゃのかねのこえ
  しょじょうむじょうのひびきあり


3.あおいあかいきいろい


4.ひとえにかぜのまえのちりにおなじ
  ついにはほろびぬ
 (ふたりのあいのこやはすでに)

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□最初は同じ音にリズムだけ変えてやってみましょう。(ラップ調)
□このときは、同じ間隔にならないようにしましょう。
□なるべく長く伸ばして読んでみましょう。
□アップテンポで調子よく、リズム、メロディをつけましょう。
□スローテンポでもの悲しく表現してみましょう。

 


 

44.音数やリズムの制限から、ことばを離して生かす
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1.アオイ(ミ) トオイ(レ) ラララ(ド)
 
1つの音に複数のことばをつけます。
   ピアノの音を1つ聞いて、3つのことばを言い切ります。
  ミ→「アオイ」(ミミミ)レ→「トオイ」(レレレ)ド→「ラララ」(ドドド)

2.「このあい」(ドドドド)
 
同じ音を語感に合わせて、くぎり、メロディを感じさせず、ことばをしっかりと表現します。リズムは自由にして、まず、ことばのリズムで捉えることです。

3.「このあい」(ドドドド、ドドードド、ドードドド、ドドドード)
 
決まったリズムの上に戻しても、その語感、表現が失われないようにします。かなり高度な技術です。  
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□「この」、「あい」でまとめてみます。「こ」、「あ」のひびきのなかで「の」「い」を捉えます。

 

第3部 中音域の役割と考え方

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