ブレスヴォイストレーニング研究所

声の研究について

 

 私たちは声への一般の方の関心を高めることが必要との思いで、研究、レッスン内容を情報公開、出版、HPなどを通じて行なってきました。そこでプロ以外にも一般の方のレッスン受け入れも行なっています。まったくの初心者も他の専門畑の方も歓迎しております。

 レッスン内容は、レッスンを受講される方と個別に相談のうえ、それぞれにとって、もっとも必要と思われることを行っています。

 

 声の判断と指導には、さまざまな知識や経験がいります。発声の専門の技術だけでなく、周辺の応用経験も含めて、あらゆる分野の学識や身体運動を含むともいえます。
 歌や芝居となると、業界や芸を踏まえた理解や判断が、一般やビジネス分野となると、スピーチ、講演、コミュニケーションのスキルや経験などが必要です。声をどのように使うのかという目的を見ずには、声そのものの育て方の方向さえ定められないでしょう。

 

 指導は、1、2年はおろか、3年や5年でも足らず、10年、15年と一人の人間の成長をみて、その行き先、成果の検証をしなくてはいけません。自らの声についても、それ以上のスパンで知っていなくてはならないでしょう。となると、一人前になるのに20~25年は要するでしょう。
 人間の共通の体としての考えていく基本の声づくりと、個人差を踏まえた発声指導、応用として現場で発揮する力をつけること、三面からみていく必要があるのです。

 

 理想としては、それぞれの専門家から成るチームをつくって、一人の人につけるとよいと思います。
1.声のテクニカルコーチ
2.フィジカルコーチ
3.メンタルコーチ カウンセラー
4.その他の専門家(プロデューサー、ドクターなど)
 また、このチームに、医者(音声医ほか)、言語聴覚士(ST)、理学療法士(MT)、カウンセラー、フィジカルトレーナーなどの協力をお願いしています。
 声についても、トレーナー一人でなく、複数制をお勧めしています。(参考:「トレーナーの選び方」)(ここでは、トレーナーを採用して、2、3年は、必ず他のトレーナーが必ずフォローするようにしています。)
 こうしてみると、自分が歌手だったとか、欧米で学んだとかいうだけの経験や、5、6年のトレーナー経験だけでは、現実的には対処しがたいこともわかります。
そのようなレッスンをしているところから研究所にいらっしゃる人が大勢います。

 

 私自身は、声楽、ST、MTに加え
1.大脳生理学、感性・集中力の開発
2.音楽療法、心理学、医学(一部)、身体学
3.経営やマネジメント、プロデュース、未来予測、マルチメディア
 などの研究してきました。(現在、国立リハビリセンター講師)

 

 創作活動については、表現として話すこと、書くことなどは必要条件でしょう。そこで私は、話す力、書く力についても、伝えてきました。人を動員したり、感動させたりするプロデュースや舞台・演出も、現場での実践経験が必要です。企業や一般の方への指導には、ビジネスやコミュニケーションに通じていることも問われます。
 他方、科学面、医学面での経験については、主に専門家との共同研究で補ってきました。桜林仁氏(芸大名誉教授、私の旧「日本ヴォイス研究所」顧問)について、音楽療法(音楽と医学)など、学生の頃から学んできました。
 学校や研究所のプロデュースをして、欧米人、ゴスペル、オペラ歌手など、いろんなトレーナーとも接してきました。いろんなトレーナーを扱うことで得られた経験も大きな財産です。
 現在も音声医学、声紋分析、外国語音声学、メンタルコーチ、フィジカルコーチなどの専門家と、いくつもの共同研究を行なっています。喉頭マッサージの會田先生とは、発声とヴォイトレの分析研究および、診断やリハビリにおいて、提携しております。その人に合った音声医への紹介も行っています。日本語の発音などアドバイスは、NHKのアナウンサー教育の礎の塩原先生などにお願いしています。(近年は、ペッパーの声感情分析の光吉先生との共同研究)
 私が総合的に多くの専門家をアドバイザーに、ここを運営している意味を知っていただけたら、と存じます。